第二十四回「新学習指導要領における指導と評価の一体化(3)「主体的・対話的で深い学び」に向けた体育指導の具体例 その1」(R1.10.1)

前回は、体育における「主体的・対話的な深い学び」の考え方についてご説明しました。今回は、その指導(問いかけ)の具体例をご紹介します。まずは、≪基本的な技能のポイントを子どもたちが試行錯誤の中から理解し、身に付けさせる問いかけ≫の例を見てみましょう。

 

例1)ハードル走(中学校A先生)

A先生は「ハードルを上手く跳ぶには、踏切がハードルに近いほうがいいでしょうか? それとも遠いほうがいいでしょうか? 皆さんで試してみてください」と問いかけ、生徒たちはグループで実験的に跳び比べ、自分たちなりの答えを導き出すという授業を展開するそうです。教科書的には「遠くから」が正解ですが…(会員専用)そうです。

 

例2)柔道の固め技(中学校B先生)

 柔道などの武道では「技の型」を1つずつ教える授業が一般的ですが、B先生は柔道の固め技について型を全く教えずに、「どうやったら相手をしっかり押さえ込むことができるかな?」と問いかけ、各グループが見つけた案を発表しあい、出てきた案をみんなで試して一番いい方法を考えるという、これまでにない授業をされました1)。子どもたちはワーワー言い合いながらあれこれ試し、最終的に…(会員専用)ですね。

 

 これらの例は、教師の「問いかけ」て「引き出す」指導により、子どもたちが「思考・判断・表現」を深めた結果として「知識・技能」を身に付ける授業です。指導は…(会員専用)で成り立っています。子どもたちの答えが教師の期待通りにならないかもしれませんが、大切なことは…(会員専用)こと。他にも、様々な種目で「主体的・対話的で深い学び」を導く授業例はたくさんあると思います。初めに基本的な運動技術を教えて練習させる、という従来の実技指導の進め方を振り返り、子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」を尊重する指導について大胆な発想で工夫してみてはいかがでしょうか。

 

次回は「みんなが楽しめるルールの工夫の例」についてご紹介します。

 

1)宮本乙女(2010)グループの探究的な活動に重点を置いた柔道の授業.お茶の水女子大学附属中学校紀要39集:1-22.

 

第二十四回担当:K.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「何をしようと失敗、成功に関わらず、経験そのものが成功の形」

ジャック・マー(1964〜, 中国の起業家でアリババ社の創業者)

 

 

第二十三回 「新学習指導要領における指導と評価の一体化(2)体育における『主体的・対話的で深い学び』とは何か?」(R1.9.1)

今月は、8月8日実施の講習会で取り上げた理論(中村恭子先生)の一部を

改めて取り上げ、体育における「主体的・対話的で深い学び」についてじっくり

考えたいと思います。

 

「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」とは、教師による一

方的な教授形式ではなく、子どもが自ら課題を見つけ、自分で調査したり仲間と

討議したりして答えを導き出すという創造的な学び方のことです。これにより、

自分の力で…(会員専用)と考えられています。

 

では、これを体育に適応させるとどうなるのでしょうか?

授業に「体験学習」や「グループディスカッション」「ディベート」「グループ

ワーク」を取り入れましょうと言うと、座学中心の教科の学習改革の手法という

イメージですよね。体育実技は球技などに代表されるように、運動体験を通して

…(会員専用)と思います。

しかし、運動技術の習得場面においては…(会員専用)を提供し、練習方法を指

定して一律の成果を期待してはいませんでしょうか? 画一的な技能習得型授業

になっていませんか? 梅沢(2018)は、「おそらく将来使わない技の獲得には、

子どもたちが価値を感じにくいであろう。また、大人の設定した階段を上がって

いるだけでは、持続可能な社会の構成員としての資質・能力の育成にはならない

と考えられる」と述べています3)。技ができるようになることは嬉しいことで

すし、様々な動きを習得することで将来何かの役に立つとは思いますが…(会員

専用)高まるような授業づくりをしたいですね。

 

他方で、「思考力・判断力・表現力等の育成」を体育の中で実現しようとする際

に、「表現力」を育成するためには言語活動を多く取り入れなければならないと

して、話し合いを重視し過ぎて運動学習の時間が保障されていない体育の授業も

見かけます。体力を高めるという目標はそのような授業で十分に…(会員専用)、

他教科ではできない体の動きを通した対話が体育ならではの特性ではないでしょ

うか。

 

また、中村(2016)は体育における「対話的」の意味は「他者との対話」「自分

との対話」「内容との対話」であるとし、「スリーアップ」と称して…(会員専

用)を提唱しています。スリーアップでは「言語的な交流は少なく身体の感覚を

通した関わり合いが多くみられた。生徒が視覚・聴覚・触覚という受信器をきち

んと拓き、近い距離にいる仲間をよく観て感じ取って考えることが本当の意味で

は主体的な取り組みとなるのではないか」2)と述べています。

子どもたちが学ぶべき動きは何か、どのように指導するのがよいのか、その答え

も一つではないでしょう。

 

次回は、体育における「指導と評価」の具体を提案したいと思います。

 

<引用参考文献>

1)中村なおみ(2016)「体育授業における『準備運動』を再考し、『主体的な

学び』へ向かう導入へと変えていく試み~ウォームアップからスリーアップへ,

自立・協働・創造に向けた主体的な学びとしての10分間へ」,2016年度笹川スポ

ーツ研究助成報告書.

2)岡田昇・佐藤学(2015)体育における「学びの共同体」の実践と研究,大修

館書店.

3)梅澤秋久(2018)「体育科における課題は何か いまどのような「体育」が

求められているか」,『これからの時代に求められる資質・能力を育成するため

の体育科学習主導の研究』(公財)日本教材文化研究所. 

 

第二十三回担当:K.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「もし、我々が、今日の子どもたちを昨日までの子どもたちと同じように教えて

いるなら、それは彼らの未来を奪うことになるだろう。」

ジョン・デューイ(1859~1952,アメリカ合衆国の哲学者)

 

 

 

第二十二回 「新学習指導要領における指導と評価の一体化(1)改訂の趣旨と全教科共通の概念理解」(R1.8.1)

承知のように,平成29年(2017)に小学校・中学校の,平成30年(2018)に高等学校の新学習指導要領の告知がありました。小学校では来年の令和2年度(2020)から,中学校では令和3年度(2021)から,高等学校では令和4年度(2022)から全面実施となります。すでに先行実施をされている学校もあるかと思いますが,授業をどう改革すればいいのかでお悩みの先生も多いのではないでしょうか。
今改訂の一番のポイントは,「学び方改革」を支える「学習指導と学習評価のあり方」にあると考えます。そこで今回からは,新学習指導要領の改訂のポイントをふまえた「指導と評価の一体化」についてシリーズでお届けしたいと思います。

1.新学習指導要領の改訂の経緯 「主体的・対話的で深い学び」の必要性
新学習指導要領解説では改訂の経緯について、「今の子供たちやこれから誕生する子どもたちが,成人して社会で活躍する頃には,(中略)生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術関心等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。(中略)我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される」とし,「このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構築するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている」3)としています。
つまり,子供たちが自ら考え,新たな創造に向かわせる「主体的・対話的で深い学び」が必要であるということです。その実現に向けて,これまでも実践してきた「課題解決学習」や「グループ学習」,「創造学習」等を継続しながら,「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の視点で授業改善(指導と評価)を進めるよう求めているのです。基礎的・基本的な知識・技能の習得は重要ですが,それらを活用する段階においては先回りして教師が答えを教えるのではなく,子供たちなりの発想で解を導き出す過程こそが「生きる力」を育てると考えられています。教師自身も柔軟な発想力をもち,子供たち一人一人の個性を認め,子供たちの活動を見守る力,活動を支援する力,新しい考えを受容する力を備えることが求められていると言えましょう。

2.目指す資質・能力の三つの柱と評価の観点
従前から学校教育において重視すべき要素として「基礎的・基本的な知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「学習意欲の向上や学習習慣の確立」が掲げられてきました(学校教育法第30条2項)。今改訂では,目指す資質・能力の三つの柱を,
●「知識及び技能の習得」
●「思考力・判断力・表現力等の育成」
●「学びに向かう力・人間性等の涵養」
に再整理(改訂学校教育法第30条2項)するとともに,全教科の目標および内容もこの三つの柱に基づき再整理しました。
他方,学習評価とは、児童生徒の学習状況を目標(何ができるようになるか)に照らして振り返り、成果(何が身についたか)を確かめるとともに課題を明らかにし、児童生徒の学習改善につなげるために行うものです。また、児童生徒の評価から授業を見直し、教育内容(何を学ぶか)や学習・指導(どのように学ぶか、どのように支援するか)の改善につなげることをねらいとしています。そこで,「目標に準拠した評価」「指導と評価の一体化」を実質化するために,観点別学習状況の評価の観点もこの三つの柱に準拠して
◆「知識・技能」
◆「思考・判断・表現」
◆「主体的に取り組む態度」
の3観点に統一されました。
このうち,「学びに向かう力,人間性等」については「主体的に学習に取り組む態度」として観点別学習状況の評価を通じて分析的に見取ることができる部分と,個人のよい点や可能性、進歩の状況について評価する「個人内評価等」を通じて見取る部分があることに留意すること1)が示されました。「主体的に学習に取り組む態度」の評価の観点としては,?知識及び技能を獲得したり,思考力,判断力,表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組を行おうとする側面と,??の粘り強い取組を行う中で,自らの学習を調整しようとする側面,という2つの側面を評価することが求められる2)としています。粘り強く取り組んでいるのに学習成果が伴わないのは自己調整ができていないためなので,教師は調整の仕方について個別に支援して成果につなげる指導が必要になります。
また,学習評価の方針を事前に児童生徒と共有しておくことは,「評価の妥当性・信頼性を高めるとともに,児童生徒に各教科等において身に付けるべき資質・能力の具体的なイメージを持たせる観点からも不可欠であるとともに児童生徒に自らの学習の見通しをもたせ自己の学習の調整を図るきっかけとなる」2)とし,評価の方針等の児童生徒との共有を奨励しています。
学習評価は評定のために行うのではなく,あくまで児童生徒の学習支援と教師の授業改善のためのものです。目標に照らして内容を選び,学習を進めるための教材や方法を工夫し,問いかけて子供たちに考えさせ,そしてリアルタイムに学習状況を見取り,評価(認知,賞賛,励まし,助言等)をフィードバックして,さらなる学習成果につなげられるよう支援することが教師の大事な役割・指導です。まさに,指導と評価は一体のものなのです。

次回から,保健体育やダンス領域における目標・内容の三つの柱、評価の3観点の具体について考えたいと思います。

<文献>
1)中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」2016
2)中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価のあり方について(報告)」2019
3)文部科学省「中学校学習指導要領・同解説」(平成29年3月告示)2018

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第二十二回担当:K.N.


*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「目の前にある現実だけを見て、幸福だとか不幸だとか判断してはいけない。その時は不幸だと思っていたことが、後で考えてみると、より大きな幸福のために必要だったということがよくあるの」
フジコ・ヘミング(日本とヨーロッパ・アメリカで活躍するピアニスト)

 

第二十一回 「空想の表現を支えるイメージの概念と表現」(R1.7.1)

今月は、指導要領に示されている「空想の表現」を支える「イメージ」の概念と表現について取り上げます。小学校解説の中で「表現」は、「自己の心身を解き放して(中略)イメージ(中略)の世界に没入してなりきって踊ることが楽しい運動」と提示されています。特に、低学年の「動物」や中学年の「空想の世界からの題材」 はこの「イメージ」の考え方に近い題材で、中学年では「〇〇探検」(ジャングル、宇宙、海底など)などの未知の想像が広がる題材や、忍者や戦いなどの二人組で対立する動きを含む題材が提示されています。

 

この「イメージ」の捉え方や授業で取り上げる際の留意点について、G・ディモンドシュタイン(1981)の考え方を元に整理していきます。著者は、以下のように述べています。

「どんな場合にも、ダンスにおけるイメージは、(中略)身振りに変えられるべきものではない。ダンスの中のイメージは、動きのために、動的可能性(action potential)を持たせなければならない。」

 

つまり、ダンスは“パントマイム”のような身振り手振りやセリフを用いた“劇”とは異なるということです。また、その題材を…(会員専用)。著者は動物の題材を例に…(会員専用)。そしてこれを通して、子どもたちに動物の身体における運動を“質的な観点から見る方法”を会得させなければならないとしています。どうやらその題材の“感じ”を…(会員専用)。

 

では、学習内容になぜ「イメージ」の題材が含まれるのでしょうか。著者はそれについても言及しており、子どもの考えの中で想像力を生み出すことは…(会員専用)。

 

子どもたちは、観たり聞いたり、触れたり、においをかいだりといった自分の“経験”から「イメージ」の題材を用意します。そのため…(会員専用)。

 

次回は、「新学習指導要領における指導と評価の一体化~全教科共通の概念理解」と題して、8月8日の理論研修で取り上げる内容のダイジェストをお届けします。

 

<参考文献>

G・ディモンドシュタイン著・加藤橘夫監修(1981)子どものためのダンスの授業.ベースボール・マガジン社

 

第二十一回担当:A.N.

 

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「心構えは、声のトーン、顔の表情、体の姿勢に影響し、その人が抱くあらゆる感情の性質を左右するとともに、その人が話す言葉の印象を変える。」

アンドリュー・カーネギー(1835~1919)(スコットランド生まれのアメリカの実業家)

 

第二十回 「表現・創作ダンスにおける“力”の指導の仕方」(R1.6.1)

今月は、表現・創作ダンスの指導でよく用いられる三要素のうちの一つ「力」について取り上げます。この要素…筆者は「時間」・「空間」よりも概念が複雑で難解なのではないかと思っています。今回は、この「力」の概念の整理と、指導に用いる際の留意点について取り上げたいと思います。

加藤(1981)は、G・ディモンドシュタインの訳本「子どものためのダンスの授業」の中で、「ダンスの第三の要素としての『力』は、動きの緊張や圧力の量として経験される」と示しています。そして、この「力」の要素こそ<動きと動きのつなぎの動作に特色を与えたり、表現的な運動をするために、身体各部間に感覚的な調和を持たせたりするのに役立つ>としています。
では、指導する際に、どのようなことに留意すれば良いのでしょうか。子どもたちは言語による比喩に反応して「力」に関連した動きを創り出すことができるため、教師は「~のように静かに、重く、軽く」等の例示を用いると効果的です。そして、「力」の概念の根底にある「ダイナミックス」を子どもたちに体感させるために、<交互に>エネルギーの量を変えるように指導します。つまり、重いー軽い、強いー弱い、速いー遅い、などの反対の表現を交互に体感させるのです。そうすることで、子どもたちはより強い緊張、弱い緊張、重力に対する抵抗や沈黙、重さや軽さの感覚としての「力」の特質をより深く経験することができるのです。

ところで、読者の皆様の中には、対面で相手の表現を真似し合う「鏡(ミラー)」を授業で行ったことがある方もいると思います。観る・表現する、これを交互に体験できる「鏡(ミラー)」は優れた下位教材で、筆者もよく用います。「力」の感覚をよりクローズアップするために、G・ディモンドシュタインが紹介している「上半身のみ→全身」と誘う以下の指導方法を試してみてはいかがでしょうか。
<1>上半身のみ
(1)二人組になって顔を向かい合わせる。一人が人間、もう一人が鏡の中の像。
(2)鏡は胸より上だけ。上半身のみを使う。(額縁の中にいるイメージ)
(3)互いに相手を見つめることができるように、いつも鏡の中を観ているようにする。
(4)人間が動き始める。鏡の中の像がついていけるように、一定の「時間」と「空間」を使う。
(5)互いに相手の運動を探求する。
(6)近くの二人組を観る。どちらの人間がリードしているかを見つける。
(7)教師による発問:「二人で一緒にどんな性質の動きを使いましたか?」求める答え:速い、遅い、大きな、小さな、軽い、重いなどの「力」に関する性質。
(8)非常に小さい(遅い)動きをする:鏡の中の相手のために、ゆっくりした動作で動く。
*指導の力点→限られた範囲で行うことで「空間」の感覚が、相手がついてこられるようなテンポで行わせることで「時間」の感覚が身に付く。また、ゆっくりしたテンポはエネルギーのコントロールが要求されるため、より「力」の要素を実感できる。
<2>全身
(1)今度は鏡が頭から床まであります。全身運動をして、お互いに遅れないようにパートナーに注目しなさい。

「鏡(ミラー)」という教材も、こういったことを指導者が意識するだけで深みが生まれますね。
次回は、指導要領に示されている「空想の表現」を支える「イメージの概念と表現」について取り上げます。

<参考文献>
G・ディモンドシュタイン著・加藤橘夫監修(1981)子どものためのダンスの授業.ベースボール・マガジン社

第二十回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「想像力とは相手の気持ちを思いやる心です。相手が言葉に出さなくても、表情をみるだけで気持ちがわかる。」
瀬戸内寂聴(1922~)(日本の小説家、天台宗の尼僧)

 

第十九回 「運動会!見応えのある隊形変化のアイディア例(2)」(R1.4.1)

今月は、引き続き運動会の効果的な隊形変化の例をご紹介します。学年全体で魅せるダンス、ぜひ隊形も工夫して見応えのある作品にしたいですね。参考にされてください。

(1)全員が見える配置で迫力も欲しい(大きな一重円からV字隊形)*1
クラスごとのまとまりで運動場の外側のラインに沿って大きな一重円を作り、外を向いて踊ります。子どもたちの活き活きとした表情が見えて感動を呼ぶでしょう。この後、各まとまりの先頭の子どもに、予め決めておいたV字の位置に移動させます。V字は(会員専用)、しっかりと決めておくことが要。全員が揃ったV字で一斉に前進すると…(会員専用)。

(2)作品の開始が印象的になる(トラックからの入場)*2
入場門から行進しながらの入場ではなく、グランドのトラックを使ってダイナミックに一斉に入場します。この時、「ヤー!」や「オー!」などの子どもたちのかけ声で入場するとさらによいでしょう。
○Aパターン:
トラックのロープ上に立ち、合図(太鼓・かけ声)などで(会員専用)。
○Bパターン:
横列の奇数・偶数列別に左右に分かれ、合図で(会員専用)。

いかがでしたか。次回は、「表現・創作ダンスにおける“力”の指導の仕方」についてお届けします。
(バックナンバーは公式HP https://chiba-jyotairen.jimdo.comにて掲載中)

<引用参考文献>
*1:青木由利子(2016)見応え有る隊形変化のアイディア.楽しい体育の授業 特集踊る♪魅せる★運動会「ダンス」セレクション.明治図書.p.31
*2:小川史子(2016)前掲書.p.28

第十九回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「自己開発とは、スキルを修得するだけでなく、人間として大きくなることである。」
ピーター・ドラッカー(1909年~2005年)(オーストリア・ウィーン生まれのユダヤ系オーストリア人経営学者)

 

第十八回 「運動会!見応えのある隊形変化のアイディア例」(H31.4.1)

5月が運動会という学校も多いと思いますが、効果的な隊形変化の例をご紹介しますので、一つのアイディアとして参考にして頂ければと思います。

 

(1)見栄えがある(中心の群→X線上)(*1)

一度の移動で作品の見栄えが期待できる隊形。中心に全員が集合した状態からX線上に移動します。中心では個々が見えにくくなる恐れがありますが、移動する際は…(会員専用)が良い所。移動した後のユニゾンでも…(会員専用)。

 

(2)時間差を魅せたい(縦列→横列)(*2)

各縦列から、先頭の子どもがリードして駆け足などで移動します。7~8人の列を作っておけば…(会員専用)。横列になったら両隣で手をつなぎ、波のようにウェービングするのがお薦め。両手を開いてつなぐと…(会員専用)。

 

いかがでしたか。次回も、「隊形変化について」お届けします。

(バックナンバーは公式HP https://chiba-jyotairen.jimdo.comにて掲載中)

 

<引用参考文献>

*1:池田和代(2016)見応え有る隊形変化のアイディア.楽しい体育の授業 特集踊る♪魅せる★運動会「ダンス」セレクション.明治図書.p.29 

*2:福士久子(2016)前掲書.p.30

 

第十八回担当:A.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大事」

イチロー(1973~)(日本生まれのメジャーリーガー.数々の記録を打ち出した)

 

 

第十七回 表現・ダンス作品の構成法「表現・創作ダンスにおける“時間”の指導の仕方」(H31.3.1)

先月に引き続き、今月は表現・創作ダンスの授業でよく用いられる「時間」の指導の仕方について、G・ディモンドシュタイン(1981)(以下著者)が示す理論を元にお届けします。

 

まず、概念を整理します。「時間」は身体の中では「リズム」として表され、このパターンを理解するためには、「時間」が以下の2要因から生じてくることを認識する必要があります。

(1)音から生み出されるリズム(拍節的パターン・外部リズム)→テンポ、拍、拍子、フレージング 

指導例:「ドラムに合わせて歩きなさい」で感じられるリズム

(2)動きによって生み出されるリズム(リズムパターン・内部リズム)→体内リズムから引き出される、脈動 

指導例:「気楽に部屋の中を歩きなさい」で感じられるリズム

*以上の(1)がリズムダンスに、(2)が表現に通じる概念なのではないでしょうか。

 

著者は、この両方に反応して動く機会を子どもたちに与えることを薦めています。なぜなら…(会員専用)。

では、どのようにリズムを変化させれば良いのでしょうか。

例えば、

<A>子ども自身が定めたテンポを保ち続ける中で(会員専用)。

<B>拍にアクセント(*1)をつけることでリズムに衝撃を与え、ダンスの中のアクセントは、動きを突然に(会員専用)。

 

著者はさらに、「リズムはダンス経験の中で最も重要なものである」とも示しています。そして、子どもがリズム感覚を高めるための学習の限界は、<教師の持つ感受性に影響される>ところが非常に大きく(会員専用)と指摘しています。しかし、そういった教師も(会員専用)ようになるとしています。

 

ダンスの授業において、教師の働きかけがいかに重要なのか、改めて気付かされる提言ですね。今後の授業作りの参考にして下さい。

 

次回は、「力の指導の仕方について」をお届けします。

 

<引用参考文献と注>

G・ディモンドシュタイン著・加藤橘夫監修・穴迫洋子 林信恵訳(1981)子どものためのダンスの授業.ベースボールマガジン社.東京

(*1):拍にはアクセントのあるものとないものがある。アクセントは、一連の流れの中で、特定の拍に与えられたより大きい音、より小さい音としてきかれる強さの性質のこと。

 

第十七回担当:A.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「教育者の最高の技術とは、若者に創造的表現と知識の喜びを発見させることです」

アルベルト・アインシュタイン(1879 - 1955)(ドイツ生まれの理論物理学者)

 

第十六回 表現・ダンス作品の構成法「表現・創作ダンスにおける“空間”の指導の仕方」(H31.2.1)

今月は表現・創作ダンスの授業でよく用いられる「空間」*1の指導の仕方についてお届けします。この「空間」を指導する際に何に気を付ければよいのでしょうか。
まず、概念を整理します。「空間」の知覚の仕方には2種類あります*2。
(1)自分の身体のいろいろな部分を使って形作られる空間(内部空間/inside space)
(2)周囲の空間との関係において身体全体が形作る空間(外部空間/external space)
※(1)が*1の示す「身体のくずし」、(2)が「空間のくずし」となるでしょう。

(1)と(2)の両方の空間認知ができて初めて、“空間を使えた表現”となります。指導する際には以下に留意するとよいでしょう。
<1>「内部空間」に関する感覚を育てる
→具体例(会員専用)。
<2>「外部空間」に関する感覚を育てる
→具体例(会員専用)。

「空間」の学習で重要なのは、<1>でどれだけ自分の身体を開拓できるかです。授業では、<1>で以下のような方法を採りしっかりと自分の身体を開拓させてから、<2>の活動に移行させます。なぜなら<2>は、外部空間にある「もの」を見て動くという<運動の関係にうまく反応する>力が必要だからです。
<1>の感覚を研ぎ澄ますためには、以下の3つのレベルを明確に意識させます。
A:高いレベル
具体例(会員専用)
B:中間のレベル
具体例(会員専用)
C:低いレベル
具体例(会員専用)

授業では、「大きく動こう」等と漠然と声かけするのではなく、<1>と<2>、ABCを用いて感覚を研ぎ澄ますようにします。すると、子どもたちはより豊かに空間を創造することができるのです。今後の授業づくりの参考にして下さい。

次回は、「リズム(時間)の指導の仕方について」をお届けします。

<引用参考文献と注>
*1:動きに変化を起こすポイントとして、「空間・身体・リズム・人間関係(4つのくずし)」が示されています。文献:村田芳子編著(2002)最新楽しいリズムダンス・現代的なリズムのダンス.小学館.東京
*2:G・ディモンドシュタイン著・加藤橘夫監修・穴迫洋子 林信恵訳(1981)子どものためのダンスの授業.ベースボールマガジン社.東京
*3:ジャンプとは「跳ぶ」こと
*4:リープとは力をためて大きく「跳ぶ」こと 

第十六回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「百の欠点を無くしている暇があるなら、一つの長所を伸した方がいい」
オーギュスト・ルノアール(1841~1919)(フランスの画家)

 

第十五回 表現・ダンス作品の構成法「シンメトリーとアシンメトリー」(H31.1.1)

今月は表現・ダンス作品の指導に必要不可欠な「シンメトリーとアシンメトリー」についてお届けします。

表現・ダンスの授業をしている時に、身体を「アシンメトリー」に使っている児童・生徒には目がいきます。これは作品創作にも欠かせない要素であり、指導する際の重要な<技能ポイント>です。
ではなぜ、「アシンメトリー」が大事なのでしょうか。対義の「シンメトリー」から考えていくとイメージしやすいです。皆さんが座っている椅子、乗っている自転車、使っているメガネ…これらは皆シンメトリーにできていますよね。私たちに「安定・安心・安全」を与えてくれます。しかし、表現・ダンスのようないわゆる<芸術の世界>に入ると、私たちはこの「シンメトリー」を一気に退屈なものと感じるようになります。なぜなら、そこには元来、刺激・興奮・冒険が隠されているからです。「感覚を刺激するアシンメトリーこそ、舞踊のために大いに利用し、理解しなければならない。(ドリス・ハンフリー,1968)」と言われるほどです。
でも、注意しなければならないのは、ただ「アシンメトリー」を指導すればよいというわけではないことです。相性の良い時間・空間の考え方(以下の★)があることを抑えておきたいです。以下に、それぞれの要素を整理してみます。

○「シンメトリー」
・作品の初めに用いるのには、それなりに意味がある。
・平和的な大団円などを示そうとする場合、連結部にシンメトリーを置くと良い。
・邪魔のない線的な形は、心よく流れて目に対しても抵抗を感じさせない。
・最も心をなだめ、和やかにする図柄。
・継続的な意味をもった対照的なものを表現する。
○「アシンメトリー」
・苦悩を表現するとき、動きは非対称にすると良い。
・エネルギーと活力という観念自体を劇化し強調する時には、対立的な図柄を用いる。
・対立が直角へと近づけば近づくほど、いっそう強い力が案じされる。
・溢れるような喜びや昴揚的な希望など、エネルギーの幸福な表現にも有用である。
★留意点:対立の角度が浅くなればなるほど弱くなる(空間的)。対立的図柄も、ゆっくりとしたゆるやかな表現では、本来の力がほとんど消え失せてしまう(時間的)。強く見せよう、怒りや戦闘的な様子を見せようと動きや対立的図柄(作品構成)を用いても、平行な位置関係(空間的)やゆっくりとした動き(時間的)では説得力がなくなってしまう。

児童・生徒の個々の動きを開拓したいとき、創作作品を工夫したいとき、ぜひ上記の★に留意して「アシンメトリー」を活用してみて下さいね。

次回も引き続き、「表現・ダンス作品の構成法」をお届けします。授業づくりの参考にして下さい。
(バックナンバーは公式HP https://chiba-jyotairen.jimdo.comにて掲載中)

<引用参考文献>
ドリス・ハンフリー著・戸倉ハル・後藤ツヤ共訳(1968)創作ダンスの技法.世界書院.東京

第十五回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「人と比較をして劣っていると言っても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。」
松下幸之助(実業家)

 

第十四回 歴史を紐解く―外国のフォークダンスが踊られるようになった背景(4)(H30.12.1)

シリーズ最終回は、日本で良く知られている「マイム・マイム」の普及の経緯と踊り方の変遷についてご紹介します。

「マイム・マイム」も「オクラホマ・ミキサー」と同様,戦後GHQが日本に紹介した踊りで,文部省やYMCAなどが普及に力を入れたと言われています。国内の団体では1956年に発足した社団法人日本フォークダンス連盟が普及の中核を担ってきたと考えられます。その踊り方は1951年に…(会員専用)。

しかし,現地の踊りは日本で踊られている曲の速さと異なります。すなわち,日本フォークダンス連盟等が出している国内CDの曲(*1)のような歩く速さ(120bpm)のテンポではなく、駈足のテンポ(140~160bpm)で勇壮な男性の歌声に合わせて踊られているのです。つまり、アメリカ経由のマイム・マイムと現地の踊りは少し違うのです。教えるのが難しいチェーケシア・ステップ…(会員専用)も、現地の踊り方(*2)では普通の…(会員専用)、他国を回って変形して伝えられていたんですね。曲のピッチ(テンポ)を速くできる再生装置をお持ちの先生は現地の踊り方を是非お試しください。

ところで「マイム・マイム」はイスラエルのユダヤ人の踊りで,不毛の砂漠地帯に淡水湖から水を引いて農地を開拓したギブツ(集産主義的協同組合)(*3)の人々が水源発見の喜びを歌い踊ったものと言われています。ユダヤ人の差別と迫害の歴史は数千年に及び,宗教的・人種的・政治的な様々な背景があります。差別や迫害に屈せず,自分たちのアイデンティティを愛し,結束を高めるために踊った「マイム・マイム」の…(会員専用)。
次回は、ダンス作品の構成法(舞台構成)について取り上げます。


参考文献・出典:
*1:マイム・マイム:決定盤 これがフォーク・ダンス ~マイム・マイム,日本コロンビア
*2:マイムマイムの正しい踊り方 Mayim Mayim teach and dance YouTube 
 https://courrier.jp/news/archives/103956/
*3:キブツ:『Wikipedia』https://ja.wikipedia.org/wiki/

第十四回担当:K.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
The only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle.
すばらしい仕事をするたった一つの方法は、自分のやっていることを好きになること。まだそれを見つけていないのなら、探し続けなさい。安住してはいけない。
Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)(1955~2011)アメリカ合衆国の実業家・技術者・作家・教育者

 

第十三回 「歴史を紐解く―外国のフォークダンスが踊られるようになった背景(3)」(H30.11.1)

本号では、現在、外国のフォークダンスとして例示されている「オクラホマ・ミクサー」が踊られるようになった目的と背景について紐解いていきます。

 

第2次世界大戦後に遡ります。GHQの占領政策により、教育内容の全面改訂が求められました。日本の軍国主義の担い手であった「体育」が、GHQの標的になったことは想像に難くありませんね。昭和22年の学校体育指導要綱(文部省,1947)では…(以下会員専用)。

一方で、植民地時代にヨーロッパ諸国がこぞって入植した多民族国家アメリカでは、互いの文化を理解し合い、民主主義を浸透させるために各国のダンスを奨励して国家統一の成果をあげてきました。GHQと文部省はそれを参考に、フォークダンスを【日本社会に民主主義を広める道具として普及に努めた】と言われます(*1)。いずれにせよ、戦後GHQから紹介された曲目は、当時のアメリカで民族交流のために踊られていた諸外国伝来の、あるいはアメリカで作られたフォークダンスだったのです。

さて、「オクラホマ・ミキサー」のオクラホマとは地名やそこに住んでいたネイティブアメリカンとは関係ないようです。このダンスの男女の組み方であるバルソビアナ・ポジションはポーランドの首都ワルシャワが語源でポーランド発祥の踊りという説、また…(以下会員専用)。

次の最終号は、「マイムマイム」について紐解いていきます。

 

*1:他に「男女平等の理念を教えるため」「戦後の疲弊した国民に娯楽を与えるため」という説もある。

 

参考文献:

松本千代栄・安村清美(1983)大正・昭和初期の舞踊教育―「遊戯」から「ダンス」へ―.舞踊学6,

文部省(1981)学制百年史 資料編.帝国地方行政学会.

庄内拓郎(2011.9.29)「オクラホマ・ミキサー」 のミステリーを巡る冒険.庄内拓郎の知のヴァリトゥード,http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2011/09/twitt.html

Yahoo知恵袋(2009.7.19)オクラホマ・ミキサーとオクラホマ州って関連性ありますか?,

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1428397354

 

第十三回担当:K.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているのよ。井戸のポンプでも、動かしていれば、そのうち水が出てくるでしょう。同じように、面白くなくても、にっこり笑っていると、だんだん嬉しい感情が湧いてくる。

樹木希林(1943-2018)日本の女優

 

第十二回 「歴史を紐解く―外国のフォークダンスが踊られるようになった背景(2)」(H30.10.1)

今回は、シリーズ第二回、明治時代に女学校で踊られていた具体的なダンスの種類等について紐解いていきます。

第一回では、明治時代が欧米の文明開化の習得が目標だったことを取り上げましたが、同20年代にはフランスやドイツの体操とともにダンスが多数紹介されました。「カドリール」(*1)や「コチロン」など宮廷舞踊の流れを汲んだSquare dance(スクエア・ダンス)(*2)や、「タンツライゲン」「スケーティングダンス」など8呼間を基本とした動きのフレーズを繰り返すフォークダンス系のCircle danceやRound danceが取り入れられるようになりました。

また、明治36年(1903)には井口阿くり(*3)が…(続きは会員専用)。

★次号では現在学校で踊られている外国のフォークダンスの背景について紐解いていきます。

 

*1:https://www.youtube.com/watch?v=6TD9DV7qjEA

*2:Square dance歩行動作を基本とする隊形変化中心のダンス

*3:https://ja.wikipedia.org/wiki/井口阿くり

 

第十二回担当:K.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

最大のピンチの後には、必ず最高のチャンスが来る

東野圭吾(1958~)日本生まれの小説家

 

第十一回 「歴史を紐解く―外国のフォークダンスが踊られるようになった背景(1)」(H30.9.1)

皆さん、NHK大河ドラマ『せごどん』を観ていらっしゃいますか?今回のテーマにはこの世界観がぴったりです。

嘉永6年(1853)の黒船来航で開国を迫られた幕府は、権威を失墜させ明治維新へと発展しました。明治政府にとって一番の課題は、欧米諸国に負けないように近代化を進めて経済力、軍事力を強化する「富国強兵」。「体育」はまさにこの「富国強兵」の役割を担って始まりました。当時の兵役の担い手は男子でしたから、子どもや女子の体育とは区別されました。明治14年(1881)の中学校教則で、男子に普通体操・兵式体操・教練・遊戯(*1)が課せられていました。また同年の小学校教則大綱(抄)で「遊戯(表現)」が初等科1、2年生に配置、明治28年(1895)の高等女学校規定では、普通体操・行進遊戯・唱歌遊戯(*2)が課せられました。これらをみてわかるように、日本の学校体育は…(続きは会員専用)。

日本の近代教育は欧米の文明文化の習得が目標であり、体育においても欧米の運動文化が導入されました。明治16年(1883)には舞踏会が開かれ、森有礼による…(続きは会員専用)。現在のフォークダンスとは、目的が大きく異なるのがわかりますね。

★次回は、当時踊られた具体的なダンスの種類等について紐解いていきます。

 

*1:普通体操とは徒手体操、兵式体操や教練とは軍隊式の集団訓練、遊戯とは鬼ごっこや徒競走、ボールゲームなどのこと。

*2:行進遊戯とは現在のフォークダンス、唱歌遊戯とは歌詞に当てぶりを振付けたダンス既成作品のこと。

 

参考文献:

松本千代栄・香山知子(1981a)明治期の舞踏的遊戯―その精神と技術の様相―.舞踊学4、1-9.

文部省(1981)学制百年史 資料編.帝国地方行政学会.

大塚正美(2011)体育の歴史と役割.城西国際大学紀要 19(1)、 137-145.

 

第十一回担当:K.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

学べば学ぶほど、自分が何も知らなかった事に気づく、気づけば気づくほどまた学びたくなる。

アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)ドイツ生まれの理論物理学者

 

第十回 「児童・生徒の思考力を高める“発問のコツ”」(H30.8.1)

今回は授業でよく用いられる「発問」について迫ってみたいと思います。毎日の授業で子どもたちに問いかけるこの「発問」、実はとても奥が深い教授技術なのです。

「発問」は、全部で4種類あります。(具体的な教師の問いかけ「実例」は会員専用)

(1)回顧的発問 記憶レベルの回答を要求する発問「実例」

(2)分散的発問 未知の題材についての解決を要求する発問「実例」

(3)集中的発問 既知の題材の分析と統合を要求する発問「実例」

(4)価値的発問 選択、態度、意見の用言を要求する発問「実例」

これらを授業中で考えると…(続きは会員専用)。表現運動・ダンスの授業では、ぜひ、分散的発問を活用し、想像力を刺激したいものです。子どもたちとのやりとりの質が変わってくるかもしれませんね。

 

★次回は、「歴史を紐解く-外国のフォークダンスが踊られるようになった背景」をテーマにお届けします。

 

第十回担当:A.N.

 

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*

「教育の流れ」には、石ころがいっぱいころがっており、至る所でさざ波が立ち、水しぶきがあがっている。水面には、花が映るかと思えば、茂みが映り、ふわふわと空に浮かぶ雲も映し出される。

ヘレン・ケラー(1880〜1968)アメリカ合衆国の教育家、社会福祉活動家、著作家

 

第九回 「表現・創作ダンスの授業で使えるお薦めの音源」(H30 7.1)

表現・創作ダンスの作品創りに欠かせない音源について取り上げます。表現・創作ダンスにおいて、音源は作品のテーマ(題材)を支える【BGMとしての役割】となります。過去に実施した連盟の実技講習会や授業等で使用したお薦めの音源の一部を以下にご紹介します。選曲の留意点もご参照下さい。

<お薦め音源>*『』は曲名、「」はアルバム名
◎小学校:
・探検系→『大草原』 劇団四季「ライオンキング」サウンドトラック
・忍者系→(続きは会員専用)
・深海系→(続きは会員専用)
◎中高:
・シリアス系→『呪われた力』 久石譲「もののけ姫」サウンドトラック
・流れる動き系→(続きは会員専用)
(以上全曲 iTunesストアーで視聴可能。曲名で検索して下さい。)

<選曲の留意点>
ビートの強い曲は「いち・に・さん・し」とカウントを取って踊ってしまい、イントロが長い曲も集中力が弱まり題材に対する「なりきり」が薄くなってしまいますので注意が必要です。さらに、特徴が強すぎる曲は…(続きは会員専用)。

連盟で8月に開催する実技講習会では、他にも授業で活用できる音源を多く紹介します。ぜひ参考にして頂き、9月からの授業にお役立て頂ければと思います。詳細は連盟HP(https://chiba-jyotairen.jimdo.com)をご参照下さい。

★次回は、「児童・生徒の思考力を高める“発問のコツ”」をテーマにお届けします。

第九回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
自分と向き合う方法は、主に2つある。ひとつは孤独な時間を作り、ひとりでじっくりと考えを深めていくこと。そしてもうひとつは、尊敬できる人や仲間に会い、話をすることで自分の立ち位置を客観的に見ること。
長谷部 誠(日本代表サッカー選手・FIFAワールドカップ3大会連続キャプテンを務める)

 

第八回 「リズムダンス・現代的なリズムのダンスの授業で使う曲選びのコツ」(H.30.6.1)

リズムダンス・現代的なリズムのダンスの授業で使いやすい定番曲は確かにありますが、今は新しい楽曲が次々と発表され流行は常に変化しています。そこで今月は、先生方が向き合っている目の前の子どもたちに合った「リズムダンス・現代的なリズムのダンスの授業で使う曲選びのコツ」についてご紹介します。

【リズムと動きの関係】
現代的なリズムの曲は、1小節が8拍でできている8ビートが主流です。リズムの捉え方を学習するためには…(*続きは連盟HPに掲載)

【気分アップのために】
楽しい雰囲気を盛り上げるためには、曲調や歌詞も重要です。心も弾むような明るく楽しい曲調や歌詞の曲を選ぶとよいでしょう。ロックやヒップホップでは重たく暗い感じの曲も多いのですが…(*)

【曲探し、曲入手の方法】
子どもたちへのリサーチが一番。子どもたちに「どんな曲を聴いているの?」と直接訊くのもいいですし、放送部が使っている曲を押さえておくのも有効です。曲名やアーティスト名がわかれば、それを手掛かりに…(*)

【気分アップのお薦め曲】
◎サンバ調:「サンバ・デ・ジャネイロ/Bellini」他
◎ロック調:「ultra soul/B’z」他
◎ヒップホップ調:「ハピネス/AI」他
*会員専用MLでは、お薦めの全曲を紹介しています。

★次回は、「表現・創作ダンスの授業で使えるお薦めの音源」をテーマにお届けします。


第八回担当:K.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
Only those who dare to fail greatly can ever achieve greatly.
訳:大きな失敗を恐れない者だけが、偉大なことを成し遂げる。
John F. Kennedy (ジョン・F・ケネディ)
(米国の第35代大統領/ 1917~1963)

 

第七回 リズムダンス・現代的なリズムのダンスの「発達段階」と「授業で使いやすい楽曲」(H.30.5.1)

好評だった先月に引き続き、今月も全文でお届けします。

今月は、「リズムダンス・現代的なリズムのダンス」における「発達段階」と、「授業で使いやすい楽曲」についてご紹介します。

リズムダンス・現代的なリズムのダンスは、軽快なロックやサンバ(小学校)、ロックやヒップホップ(中学校・高等学校)などの曲の「リズムに乗って全身で踊ること」が学習内容です。ですから、学習の手掛かりとなる曲(リズム)はとても重要です。発達段階や学習のねらいにより【適したリズムや速さ】があります。基本的に曲の1拍毎を捉えて踊る場合、ピッチ(テンポ)が速い曲は軽く弾んで(跳ねて)踊るのに適しており、遅い曲は膝や体幹を曲げたり伸ばしたりして全身で大きく上下動してうねるように弾んで踊るのに適しています。

【発達段階】
小学校低中学年→筋力が未発達でゆっくりした曲に合わせて上下動するのは難しい。駈け足やスキップなど、軽く弾む動きに合うテンポの曲、軽快なロックやサンバが適している。小学生は体が小さいため速い動きが得意。教師が試しに動いて速すぎると思う曲でも乗りこなすことも。
中学校1年生→まだ筋力が十分ではないが体は軽い。軽快なテンポのロックに乗って弾んで踊る動きが適している。歩くテンポのゆっくり目のロックで踊る場合は、1拍毎のビートを捉えてひとつひとつの動きを止めるようにキレ良く踊ることに挑戦するのもよい。
中学校2・3年生→個人差はあるが、やや速めのヒップホップに乗って上下に弾んで踊れるようになる。
高校生→重たいヒップホップのビートに乗って全身で大きく弾んで踊るには体力が必要だが、この頃になるとそれが可能になってくる。

※どの発達段階においても、単元の中では様々なリズムの曲を扱って、毎時の気分を変えてあげるとよい。特に単元初めはサンバに乗って楽しく弾んで踊る導入で、モチベーションアップを図るのがお薦め。

【使いやすい楽曲】
(1)「We Will Rock You / QUEENやBillie Jean / Michael Jacksonなど」→1、3、5、7拍目のビート、強拍がはっきりしている
(2)「火の玉ジャイブ / 東京スカイパラダイス」→シンコペーション(拍子の強弱を逆転させて、2、4、6、8拍目のいずれかを強調する演奏が含まれている
(3)「Beat It / Michael Jackson」→アフタービート(後拍を強調した弱起のリズム)が強めでリズムのメリハリを感じやすい

★次回は、「リズムダンス・現代的なリズムのダンスの授業で使う曲選びのコツ」をテーマにお届けします。

第七回担当:K.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
The flower that blooms in adversity is the rarest and most beautiful of all.
訳:逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい。
Walt Disney (ウォルト・ディズニー)
(米国のアニメーター、映画監督、脚本家、エンターテイナー / 1901~1966)

 

第六回「学習カードの意義と効果的なコメント方法」(H30.4.1)

<新年度特別号:全文掲載>

 

我が国の小中学生で、「話す・聞く・読む」ことに比べて「書く」ことが相対的に不十分であり、特に自分の考えを「理由」や「根拠」を明確にして書くことに課題があるという調査結果が公表されました(*1)。最近のSNSの普及で、スマホを介した単文による対話が増えていることも影響しているように思えますが、子どもたちが理論的に「書く」機会を学校現場ではしっかりと保障したいものです。

学校では、多くの「書く」学習があります。国語科はその代表的な例ですが、体育科でも学習カードが小学校では90.9%、中学校では100%使われており(*2)、重要視されていることがわかります。では、なぜ学習カードを書くことが重要なのでしょうか。その意義として、
(1)子どもの立場から→めあての設定と振り返りを繰り返すことで思考の整理が行われる(*2)
(2)教師の立場から→授業時間内に指導・支援しきれなかった児童生徒一人一人の思いや活動の様子を児童生徒の記述から読み取り、次の手だてに活かしていくことができる(*3)
などが挙げられています。

(1)の効果を高めるために、教師はどのように添削すれば良いでしょうか。多忙の中で時間を見付けて日々添削するのはなかなか大変…。でも、「質問する」「提案する」「承認する」「事実をフィードバックする」「できない原因を考えさせる」この5点を意識して学習カードにコメントすると、体育における「できる」「わかる」の実現に近づくことが研究的に明らかになっています(*4)。
学習カードを日々添削する時に、以上の観点を少し意識して線を引いたりコメントをしたりすると、授業での子どもたちの学びがより深いものになるかもしれませんね。

*1:OECDによるPISA調査及び文部科学省による全国学力・学習状況調査
*2:日景奈美・福岡雄二・田村光司・後藤健人(2014)主体的な学習活動を促す体育・保健体育科の授業改善―自己評価活動を生かした学習カード・ノートの活用を通してー川崎市教育センター研究紀要第18号pp.95-110
*3:野田義勝・堤公一・福本敏雄(2012)体育学習における学習カードの効果とその活用法 : 中学校2年保健体育科「器械体操」の授業を通して.佐賀大学教育実践研究29.pp.237-246
*4:佐藤知穂(2012)「わかる」 と「できるJ の統ーを目指した授業づくり -コーチングを活用 した保健体育科の実践ー.山形大学大学院教育実践研究科年報.pp.100-107

★次回は、「リズムダンス・現代的なリズムのダンスの授業で使える!お薦め音源集」をテーマにお届けします。

第六回担当:A.N.

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
私は他の誰かよりうまく踊ろうとはしない。ただ自分自身よりうまく踊ろうとしているだけだ。ミハイル・バリシニコフ(旧ソ連出身のバレエダンサー・振付家・俳優)

 

第五回「ダンス授業におけるリズム太鼓の力」(H30.3.1)

「リズム太鼓」を授業で使ったことがある先生、いらっしゃいませんか?リズム太鼓を使うことの効果、実は研究的に明らかになっているのです。

 

2014年に小学校2年生を対象に実施した研究を紹介します。体育館の自由な空間内で、

A組:スキップ・ケンケン・ケングー(※)等を行っている最中、リズム太鼓を継続的に鳴らし運動のリズムを支援する

B組:運動中にリズムを全く打たない

この2組を

(1)決められた時間の最後まで運動を継続する力

(2)外的なリズム刺激が無くても運動に適した一定のリズムを自身の体で取れる力

この2観点で分析した結果、 会員HP

 

 

第四回「ヒップホップのリズムとノリ」(H30.2.1)

先月号の"ロックのリズムと乗り"に引き続き、今月号はヒップホップのリズムとノリについてお届けします。

 

ヒップホップのリズムとノリ方は、ヒップホップダンサーを参考にすると良さそうです。ヒップホップダンサーは、微妙に音楽のリズムを遅れて取る「遅取り」を好み、その微妙な遅れを含む「大きな体の動きのうねり」でリズムを捉えて踊っています。ノリの良さを表す「グルーヴ(groove)」についてピアニストの小松(2014)は、「確なテンポ(時間)の拍打ち(刻み)の中で微妙にタイミングがずれている打点を含むことに特徴が認められるノリ」と報告しています。どうやらグルーヴとは、実に"微妙で感覚的"なもののようです。

このグルーヴ感をダンスで捉えるために、踊る時は会員HP

 

 

第三回「「リズムに乗って踊る」ってどういうこと?」(H30 .1.1)

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、新年初めは、実は奥が深い…このテーマでお送りします。

「リズムに乗るってどういうことですか?」と、ある先生からきかれました。現代的なリズムのダンスに示されている「全身でリズムに乗って踊る」とは?という疑問です。「例えば8拍子の曲に合わせて、1拍毎にひざを屈伸して上下動すること」などと、音楽のリズムと動きの関係を数字で割り切って説明すると納得されましたが…、実は非常に感覚的な言葉であり、正確に説明することが難しいことに気づきます。

この「音楽のリズムに乗って踊る」とは、会員HP

 

CJT定期便(第3号から会員のみ閲覧可となります)              第二回「日本の踊り“ナンバ”の古今」(H29 .12.1)

 日本には、“ナンバ”という手と足の運び方があります。右手と右足、左手と左足を同時に出す運び方です。指導要領で定められている日本の民踊にも、この“ナンバ”が多く登場します。では、なぜ日本の踊りに多く登場するのでしょうか?そう、それは私たちが農耕民族だからです。畑を耕すときには鍬を持ちます。鍬を振り下ろしたときに、手と足はどうなっていますか?もし手足がクロスしていたら鍬が足に刺さってしまいます。相撲を見てみましょう。横綱が四股(しこ)を踏む時の手と足は…?やはり“ナンバ”で、すり足をするときも同じですね。これは最も体に力を蓄えることができるからなのです。

実は、江戸時代1603年(慶長8 年以降)の浮世絵に登場する人物や、1980年代(昭和55年以降)に流行した日本発祥の “パラパラ”も“ナンバ”。この“パラパラ”は盆踊りと同じで、みんなが同じ方向を向いて同じ足運びと手振りで踊っていました。
このように考えていくと、時代が変わっても私たちの生活様式が日本の踊りと密接に関連していることを実感します。授業で触れていくと、踊りがいかに古い文化を持っていて私たちに身近なものか子どもたちも実感すると思います。
*例:相撲すり足↓
https://www.youtube.com/watch?v=pkPbsPcQidI

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「誰にでも才能はあります。問われるのはどう才能を伸ばすかです。」
マイヤ・ミハイロヴナ・プリセツカヤより(ロシアのバレエダンサー)

 

 

・:*:・・:*:. CJT定期便開通記念 ・:*:・・:*:.(H29 .11.1)   第一回「身体表現って何?」

みなさん、初めまして。
千葉県女子体育連盟から、このたび「CJT定期便」をお届けする運びとなりました。
(講習会等のアンケートにメールアドレスとお名前を頂き、ML入会の許可を頂い
た先生方にお届けしております)

毎月一回、授業や研究に活用できそうな”ひとくちメモ”をお届けしますのでどう
ぞご活用下さい。
この定期便のモットーは「忙しい毎日の隙間時間に読めること」ですので、
お昼休み、出勤途中、帰宅途中、家事の間など…その隙間にどうぞご活用下さい。
(次回から400字程度でお届けしていきます)

さて、記念すべき第一号のテーマは「身体表現って何?」です。
「身体表現」は、小学校の「表現運動」や中高の「ダンス」でなくてはならないものです。
でも、自己表現が苦手な児童・生徒も身近に少なからずいるのではないでしょうか。
劇作家/演出家の鴻上尚史氏はこういいます。
「表情や声、体などを使った『表現』を鍛えることで、魅力的な人間になれる。
表現は技術であり、磨けば自分自身も光るようになる。」
そして同時に、これらを持っている人を真の意味での「教養のある人」と言及しています。

この「表現」という技術を磨く方法は…?
それらが、表現運動・ダンスの授業の中にちりばめられているのです。
表現運動・ダンスの授業は、授業という枠組みを超えて、
私たちの生活や人となりの形成にとっても大切なのですね。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/associe/expression/060502_4th/

さて、欧米では小学校低学年から「演劇」を科目として学びますが、日本にはないですよね。
教科のあり方にもその国の身体表現に対する考え方が垣間見えますが、
国際化が浸透する現在、日本人でも豊かな身体表現ができる人材を育てたいところです。
この身体表現は実はとても身近なやり方で認識・トレーニングが可能なのです。
例:好きな食べ物について二人組(Aさん、Bさん)で話す
(1)Aさんは、好きな食べ物を相手に向かって話す
(2)Bさんは、相づちや笑顔など全く反応を示さずその話をただ聞く
(3)Aさんは、もう一度好きな食べ物を相手に向かって話す
(4)Bさんは、相づちや笑顔など反応を示しながら話を聞く
これを行うと、(2)と(4)の違いに気づくはずです。
そう、(4)は身体表現が伴う会話なのです。
それが豊かなほど、会話が弾むことが確認できます。
HRなどで、ためしに(1)~(4)を実践してみてはいかがでしょうか。
児童・生徒たちが、身体表現がいかに身近であり、対話に必要不可欠なものかを実感してくれるでしょう。
さらに応用的に考えて…先生方も個人面談等でご自分の身体表現を意識してみるといいかもしれません。

*:・゜。*:・゜*:・゜。*今日のひと言*:・゜。*:・゜。*:・゜。*
「身体は言葉にできないことを伝えることができます。ダンスは身体を使った魂の言葉です。」
「Brainy Quote」 Martha Graham(マーサ・グラハム、モダンダンスの開拓者)より